日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
II.成人骨折・脱臼
肘頭骨接合方法比較―Tension Band Wiring vs TBW + CCS or Mini Plate―
安岡 寛理
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キーワード: 肘頭, 骨接合, バックアウト
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2018 年 25 巻 2 号 p. 100-103

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抄録

 単純な骨折型の肘頭骨折や肘頭骨切り後の骨接合ではTBWが一般的に選択される方法であるが,K鋼線の術後back outを高頻度に経験する.K鋼線と軟鋼線を使用した単純なTBWとTBWにCCSかmini plateを併用した方法間で術後成績を比較した.単純な骨折型の肘頭骨折もしくは肘頭骨切り後に骨接合を行ったTBW群(男14例,女25例,平均年齢64歳)とTBW+CCS等群(男2例,女8例,平均年齢64歳)間でback out発生率,再手術率,骨癒合期間,関節可動域を比較した.K鋼線のback out発生率はTBW群が有意に高かった.再手術率,骨癒合期間,関節可動域に有意差はなかった.TBW以外に主骨片同士をまたぐインプラントを1つ追加すれば,K鋼線のback outを予防できる可能性が示唆され,CCSの1本追加挿入は簡便な方法であり安心して経過観察できる方法である.

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© 2018 日本肘関節学会
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